2007年6月18日(月)20:22

EU憲法をめぐる交渉は最終局面に

AFP

EU首脳会議を3日後に控え、EU憲法をめぐる交渉は最終局面に入った。「欧州憲法の行方を決める交渉は最終局面を迎えた」とドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相(社会民主党)は語った。ポーランドは票決規定に反対する強硬姿勢をさらに強め、ポーランド政府はドイツのような大国がEU内の大きな「決定阻止国」となるのを妨げたいと考えると述べた。イギリスもEU憲法の根幹となる欧州基本権憲章の問題などで強硬な姿勢を崩していない。

シュタインマイヤー外相はルクセンブルクで開かれたEU外相会合において、全加盟国に対し、木曜日にブリュッセルで始まるEU首脳会議を決裂させぬよう警鐘を鳴らした。「欧州理事会で合意が得られなければ、私たちは皆、加盟国もEUも、ともに敗者となる」と外相はEU議長国ドイツを代表して語った。シュタインマイヤー外相は日曜日の晩に開かれたEU外相会合で打開を図ることができなかった。

EU憲法の規定では、ドイツはすべての「決定阻止連合」の78パーセントで主役になれると、ルクセンブルクで提示されたポーランドの意見書は主張している。ポーランド政府によれば、ドイツは二つの大国および一つの小国と手を組めば、EUの重要な計画を阻止することが可能という。これに対し、ポーランドの決定阻止の可能性はわずか15パーセントに低下するという。あるEU外交官は、「結局のところお金の問題なのだ」。ポーランド政府は、ドイツがEU構造基金の最大の受益国ポーランドに対し、他の実質負担国と結び、財政交渉で財布の紐を締めることを恐れているのだ、と語った。

ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロヴァキアのヴィシェグラード連合4ヶ国のミニ首脳会議で、ポーランドのヤロスワフ・カチンスキ首相は憲法問題での歩み寄りを訴えたが、憲法で規定された票配分に反対する姿勢は譲らなかった。この票配分によればドイツは人口比に従い、ポーランドの2倍の持ち票を認められることになる。「ある国の国民の票が他の国の国民の票の2倍の重みを持つなどということは許されない」とカチンスキ首相は批判した。

辞任を控えたイギリスのトニー・ブレア首相は、EU条約修正交渉に対するイギリス政府の要求をあらためて繰り返した。私は欧州基本権憲章がイギリスの法律を変えることを許さない。またイギリス政府は自国の外交政策や警察制度に対する監督権を手放すつもりはない。加えて、私は特定多数決による票決分野の拡大に反対する、とブレア首相は述べた。EU憲法は特定多数決による票決を、これまで全会一致を原則としていた分野に広く拡大することを定めている。たとえば司法・警察の協力や移民政策などの分野である。

原題:Verhandlungsendspurt im Streit um EU-Verfassung




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